2010年の創業以来、外資系アパレル、楽曲配信、大手GS、大手物流、公共施設等、幅広い業種、業態におけるシステム企画、導入支援および新規事業開発のプロジェクトマネジメント、企画開発の支援をして参りました。

この10年の経験で学んだことは数え切れません。その中で、どうやら真実に近しいと思えることが一つあります。
冒頭に引用した、バックミンスター・フラーの言葉です。

“You never change things by fighting the existing reality.
To change something, build a new model that makes the existing model obsolete.”

私なりに意訳すれば、「物事を変えようと思うのならば、今あるものを変えようと努力するのではなく、全く新しく始めたほうが早い」ということになろうかと思います。

企業において何か新しいことにチャレンジする仕事を担う方にとって悩ましいことは、その「新しく始める」という取り組み自体が周囲に理解されないことです。

言うは易く行うは難し。

外部から助言をするのは難しいことではありません。しかし助言を受けた側がこれを実行していくことは容易ではありません。

多くのプロジェクトにおいて、苦しみ、悩み、泥まみれになりながら皆さんと共に問題を解決してきた経験から、私が確立した支援のスタイルがあります。

それは、”narrative(ナラティブ:物語的な)”であることです。

専門家として外部から助言をするのではなく、皆さんと共に物語を共有し、共に泥にまみれていく、ということです。

システム導入や新規事業開発プロジェクトというものは、得てして、目的が曖昧であったり、社内から批判の目で見られたりと、想像しているようなスマートな仕事とは程遠いことが多いものです。そして、そのような仕事を任される人たちは、社内でも選りすぐりのエースであることがほとんどあり、私が話したり、資料化するような知識は、言わずもがな、皆さんはご存知です。それを改めて助言するだけでは、何の解決にも、何の手助けにもなりません。

私が皆さんと共にある意味は、皆さんと同じ悩みを持ち、同じように共に苦しみ、その物語の中で共に生きていく中で、皆さんが持つ経験や知識と、私の知識、経験をマッチアップさせ、進むべき新しい道を見出すことです。

私はこの仕事を「ナラティブ支援」と名付けました。

新たなチャレンジに挑む皆さんをナラティブに支援し、共に変革を起こす力になる。
その新たな物語との出会いを楽しみにしております。

2020年11月 里見伸二朗